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【インタビュー】マンガに宿る、描き手の「心」に魅せられて。商業マンガ家兼・マンガ個別相談講師"仙幸"の、プロフェッショナル・マンガ道【前編】。

マンガ家/マンガ家志望者が、マンツーマンでプロに創作の相談をできるサービス「マンガ個別相談」。その講師をつとめるメンバーは、彼ら自身もまた描き手としての経歴を持ち、得意とするジャンルやキャリアも多様です。

本記事では、普段あまりクローズアップすることのない講師の素顔をご紹介していくことで、「どの講師に相談に乗ってもらおう?」と悩んでいる方や、「個別相談に興味があるけど、いきなり知らない相手と話すのは緊張するな…」という方のご参考になればと思っています!

今回ご紹介する講師は、女性向け商業マンガやBLジャンルで作家としても幅広く活躍中の、「仙幸」先生です。

【仙幸】
一般誌では、仙幸名義で活動。商業BLではぬののので活動中。
仙幸X:@norsw55
ぬのののX:@nunononobl

【対応内容】アイディア出し/プロット/ネーム/作画(デジタル)
【対応マンガ種類】横読み漫画
【得意ジャンル】少年マンガ/青年マンガ/少女マンガ/女性マンガ/4コママンガ/R18マンガ/バトル・アクション/ギャグ/スポーツ/ラブコメ・恋愛/ファンタジー・SF・歴史/ミステリー・サスペンス/ホラー/職業・仕事/グルメ/TL(ティーンズラブ)/BL(ボーイズラブ)/GL(百合)/アダルト(女性向け)

【コメント】
商業漫画家として活動中。女性向け二次創作も執筆したり読んだり嗜んでいます。連載をとるまでの長い下積みを経験。そこで得た技法・勉強法などの学びを活かしご相談の役に立てるお話も出来ます。作家さんそれぞれの良い点や強みを一緒に見つけ、描きたかったところを読者に伝わるようにするお手伝いをします。

<ご注意>
漫画”制作”についてのご相談がメインです。心理相談や二次創作のマネージメントのご相談、執筆や入稿スケジュールを詳細に決めてほしいというマネージャー業を求めることがメインの方は基本的には受け付けてません。
漫画制作のついでのご相談の場合は、問題ありません。


マンガも「学ぶこと」が重要

——ネームタンクとの出会いは、受講者として講座を受けたっていうところですか?

そうですね。私、関西在住なので東京は遠くて、中間地点の名古屋で1日講座を受け、その時に動画版ができると発表されて、その場で動画版も契約した感じです。

——当時は、制作で行き詰まっていたんですか?

そうですね。マンガを商業連載したかったけど、うまくいかなくて…。担当さんはいたんですけど、ずっとボツみたいな感じで、もうどうにもなんないってときに、ごとう先生のYouTubeを検索で知って受けた感じです。講座を受けた当時は、言っていることを理解できてもアウトプットがうまくできない感じだったんですけど、今になって、講座のここはここにつながってるのね、みたいに点と点がつながることがあったりするので、漫画って勉強しないといけないんだなと感じました。

——マンガの描き方って、学ぶのではなく「降ってくるもの」みたいなイメージも何故かありますよね。

ありますよね、バクマンみたいな感じの。「オラー!」みたいな、「青春!爆誕!」みたいな(笑)。でも、成長しやすい人や急に上手くなる人は、自分が今何につまずいているかを自覚できている人だと思います。物語が上手く描けないとか、キャラクターが上手く描けないとか、どれか一つに絞ってクリアしていく人は成長するなと思ってて。「無茶苦茶でもいいから描き終わる」っていうのを一旦達成して、次に、物語が上手くできているか試してみて、次にキャラクターを…というふうに、一つ一つ階段を登っていける人が、いつの間にか上手くなっているなあと。

——最初から完璧を目指すのは困難だということですよね。

長年やっているプロの方も、流行りの漫画を読んで勉強するじゃないですか。すごい方たちですら勉強をしているので、そりゃあ最初はできないことばかりだよな、と。相談にいらっしゃる方でも、できないところを自覚してクリアしていく人は、上手くなるイメージがあります。「すぐ担当さんつきました!」と言ってくれたり、「デビューします!」という方もいらっしゃったり。

——嬉しいですね。そういう成果報告をいただくことは多いですか?

時々あります。Xの方にメールアカウントを公開しているので、そこに時々、連絡をいただきますね。

Xのアカウントトップ(プロフィール)


相談者に「占い師!?」と言われるほど。人間心理に興味津々

——いまは個別相談始めてどのくらいになるんですか。

もう3年入った?ぐらいな気がします。

——やり始める前と今で、一番変わったことってありますか。

マンガの解像度がめちゃくちゃ上がりましたね。漠然と「ここ足りない気がする…」みたいな感じでずっと悩んで、個別相談が始まる時にやっとギリギリ答えが見つかって、相談者に伝える感じだったんですけど、今は「多分ここだな」っていうのがすぐ出せるようになって。普段マンガ読む時も、「作者はここ伝えたかったんだな」とか「でもちょっと伝わりきれてないな」とか気づくようになりました。白黒からカラーに変わったみたいな…。
あとは、キャラクターの理解力が上がりました。去年ぐらいに受けていただいた方から「占い師かと思った」って言ってもらえて。キャラクター理解が深まったのかなとは感じてます。

——すごいですね。オリジナルキャラクターを誰かに「理解してもらった」と感じられるのは、描き手としては嬉しいでしょうね。

そうですね。作家として私が編集者とやりとりしていても、ちゃんと作品を理解している人からのアドバイスってすんなり受け入れられるというか、「好き!」ってなるので(笑)。ちゃんとそこを掴めるかって大切だと思っています。私のところに相談に来る方々は商業作家を目指す方が多いんですが、キャラを売り物にできないと編集部も「一緒に仕事しましょう」とは言ってくれないので…キャラクターを強くしたい人が相談に来ますね。

——初めて会った相手が脳内で作り上げた世界観に対して、一瞬で理解をしなきゃいけないというのは、すごく高度なことじゃないですか?

人間に興味があるんですよね。たとえばSNSで自分の理解できない感想を持ってる人を見かけると、「なんでそういう思考になるんだろう?」ってホーム(アカウントトップ)を見に行って、「こういう環境下だとこういう風に考えがちなんだ」みたいな情報を得る。YouTubeでも、心理カウンセラー系の動画を見ることが多くて。「こういう風になりがちだよね」「こういうので苦しんでるよね」みたいなのが分かると、マンガにも落とし込めるというか。(物語というのは)人がしんどいって思ってるものを解消する、みたいな部分が大体ハードルとして描かれると思うので、人間を知ることでマンガが理解しやすくなるっていう。

——医者みたいですね(笑)。個別相談はいろんな方が来ますし、その目線で楽しめそうですね。

そうですね。その人の「好き」が作品に描かれているので、それが面白いです。

——描き手の「好き」が作品に現れていること自体が面白い、って感じですか?

面白いですね。会話せずとも、好きなものや面白いと思うものがわかるのが。


「フィードバックを"する"講師としての自分」と、「フィードバックを"もらう"作家としての自分」の好循環

——商業作家としても活躍中の仙幸先生ですが、(マンガ家として)描いているジャンルはどのあたりですか?

「仙幸」名義だと、女性向け一般商業です。女性向け、って言っても女性の読者がやや多いぐらいの一般商業です。一番わかりやすいのはxのトップで固定にしている作品など。

仙幸名義の作品。
https://x.com/norsw55/status/1291675626730958850


別名義で、「ぬののの」っていう名前ではBLで商業やってるって感じですね。女性向け商業が得意です。

ぬののの名義の作品。
https://x.com/nunononobl/status/1747555385232527745

私の作品は読みやすいとよく言われます。私のXを見て、わかりやすく伝わりやすいマンガの描き方を知りたい、という感じで相談に来られる方が多いです。SNSに上げている作品が名刺代わりになっています。
商業作家なので、どうしても読者目線ありきでのアドバイスをしがちです。相談者の方も「商業作品として具体的な改善策が聞きたい」という方が多いです。

——逆に、苦手なジャンルってありますか?

ジャンルはありませんが、スケジュール管理を一緒にやってほしいとか、作品相談と違うものは苦手です。スケジュール管理も、相談者自身の訓練ではあると個人的には思っているからです。私自身のスケジュールを参考に聞きたい、ということでしたら全然言えるんですけど、私の活動媒体はwebなので、決まった締め切りがほぼない状態で…参考にしにくいかもしれないです。苦手でいうと本当それぐらいかなって。

また、ジャンルではないのですが、webtoonの作画は苦手です。縦読みならではのコマ割りの勢いが、webtoon作品を描いておらず不勉強なので…内容面は相談にのれますが、作画は違う講師の方がいいかもしれません。


——相談を受ける上でのこだわりはありますか?

相談者が描きたいもの・好きなものが読者に伝わる状態になるように、その方の「好き」を引き出すっていうことです。本人は作品に描いているつもりだけど、奥の方に眠ってしまっている「好き」を引き出して、どう伝えるか。そこの方法や技術を教えていこうっていうのは、講師として思っているところです。
仙幸という「作家」としては、私自身も一緒に勉強してるっていう状態です。私ってこういう考え方なんだというのを自覚して自分の作品にアウトプットしたり、相談者から逆にこういう面白い考え方があるというのを教えてもらいます。個別相談から得たものを基にアウトプットした作品を、私の担当編集者という「プロの読者」に見てもらって、「ここ伝わらないよ」っていうフィードバックを得て、それをまた相談者さんに教えるというサイクルを回し、結果的にみんなでレベルアップできればと。

——すごい。完璧にもう、エコシステムが(笑)

そうなんですよね。いま主に描いてるのがBLなので、「今どんなBLがウケるか」をBL作家になりたい相談者には伝えてます。「今こういうイケメンが流行ってますよ」とか。

——講師としてフィードバックを"する"側でもあるし、作家としてフィードバックを"もらう"側でもあるから、双方の目線があるってことですね。

そうですね。相談者と一緒に成長しているから、やりがいがあると思っています。



◎後編に続きます!◎

ここまで見てくださり、ありがとうございました!
前編はここで終わりです。後編(売れるマンガには、「策」がある。商業マンガ家兼・マンガ個別相談講師"仙幸"の、プロフェッショナル・マンガ道【後編】。)では、仙幸先生の創作スタイルや、現代の商業マンガに求められるポイント etc. たっぷりとお届けいたします!

後編はこちらから→

◎マンガ個別相談は、毎日15時〜21時で受付中!◎

仙幸先生も在籍する「マンガ個別相談」では、マンガに関するご相談を常に受け付けています!
1回30分から、講師とマンツーマンで課題や強みの発見ができます。ぜひ、ご活用くださいね!

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