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【インタビュー】学びはずっと終わらない。「絵」が描きたいマンガ個別相談講師"えの"の、偏愛!マンガ道【前編】。

マンガ家/マンガ家志望者が、マンツーマンでプロに創作の相談をできるサービス「マンガ個別相談」。その講師をつとめるメンバーは、彼ら自身もまた描き手としての経歴を持ち、得意とするジャンルやキャリアも多様です。

本記事では、普段あまりクローズアップすることのない講師の素顔をご紹介していくことで、「どの講師に相談に乗ってもらおう?」と悩んでいる方や、「個別相談に興味があるけど、いきなり知らない相手と話すのは緊張するな…」という方のご参考になればと思っています!

今回ご紹介する講師は、マンガ家・イラストレーターとして幅広く活躍中の「えの」先生です。

【えの】
漫画家・イラストレーター。二次創作から始まり漫画歴20年超。竹書房月刊キスカで読切デビュー。コミックNewtype『魔女ノ結婚』作画担当連載。webtoon制作にも参加しつつ、現在はSNS発信からのマネタイズを模索中。
X:@enosirk

【対応内容】アイディア出し/プロット/ネーム/作画(アナログ)/作画(デジタル)
【対応マンガ種類】横読み漫画/ 縦読み漫画
【得意ジャンル】少年マンガ/青年マンガ/少女マンガ/女性マンガ/4コママンガ/バトル・アクション/ギャグ/ラブコメ・恋愛/ファンタジー

【コメント】
楽しく相談!がモットーです。作家としても講師としても「人の創作意欲を刺激する」ことが目標。自分自身も漫画制作で悩んできた経験を活かし、相談者さんの悩みに寄り添えたらと思います。どんなジャンルもお気軽にご相談下さい!


ストーリーよりも、絵が描きたい!

——えの先生が得意なジャンルはありますか?
自分で描くときは、少年マンガとか、少年〜青年の間ぐらいのジャンルですかね。女性読者が多い作風だとは思うんですけど、女性向けに振り切ることもできておらず。女性読者に刺さるような、少年/青年マンガを描いていますね。
Xで連載しているラグビーのマンガ(『口の悪い男子校マネージャーのサポート力が凄すぎる』)は、一応女性向けで、「マネージャー」の方のキャラはウケがいいんですけど、もう1人、桜田くんっていう「ガチムチの筋肉キャラ」がいまして、筋肉バカな男の子なんですけど、全然人気がなくって…。桜田くんメインの話が全然伸びないっていう、悩ましいところがあります。

えの先生 Xポストより引用
スパルタと見せかけて、愛あるマネージャーのキャラクターが大人気


——困った時に助けてくれる男子マネージャーキャラは、女性は憧れそうですね。
女性向けに振り切るのも、自分としてはそこまでポジティブではなく、躍動感のある見せ場が描けたらいいな、と思っているんです。アクションっぽい画面とか。そういう「絵」を描くために、どういうキャラと話にしよう?っていう考え方で作りますね。

商業デビュー作の読み切りで描いた和太鼓女子の見開き。
躍動感に満ち溢れている


——絵から物語を考えていくのは、難しそうですね。
難しいんですよ。茨の道で…私は、話はどうでもいいタイプというか、特に言いたいこともなく、「絵が描きたいからマンガ描いてます」みたいなタイプです。

——創作タイプ※は、何タイプですか?
萌え型です。演出タイプ※は興味型ですね。ごとう先生が作った診断は、めちゃめちゃ当てはまってて。「絵作りを意識するがあまり、ストーリーの整合性取れていない」とか、ほんと合ってる!っていう感じです。

【※用語補足※】
東京ネームタンクでは、マンガ家の「創作タイプ」を分類。
▶︎萌え型:モノやキャラを尊い!と感じる萌えの感情をエネルギーに
▶︎排出型:自分の内側にある強い想いを外に排出したい!という感情をエネルギーに

※タイプは基本的に人それぞれ固有のもので、変わらないことが多い
◎「創作タイプ」について、より詳しくはこちらで解説しています◎

◎「演出タイプ」については、代表のごとうが下記ポストで解説しています!◎


——えの先生は絵が魅力的なので、イラストレーターもできそうですよね。
1枚あたりにかかる時間が、イラストはめちゃめちゃかかっちゃいますね。マンガはコマ運びで絵を見せられたりとか、動きを1個ずつ積んでいったりできるので、そういうマンガっぽい表現が私は好きですね。



「(講師は)世界一合っていない」!? 愚直にマンガを「学んできた側」

——ご自身もマンガを描いていらっしゃるえの先生ですが、講師として活動されている理由は?
もともと教えることに関しては全く興味がなくて、私の学びになるかどうかに興味がありました。最初はネームタンクの受講生として、イベントや講座に積極的に参加していて、「この人、いつもいるな」みたいな感じだったと思うんですけど…そんな中で、ごとう先生に「講師やらない?」って言われて。その時の私の心情としては、「教えてほしいのは、こっちなんですけど!だから、来てるんですけど!」っていう感じだったんですよね(笑)。
ただ、学んだことを人に伝えていくことで、自分の学びにもなるし、私よりも描ける人がいっぱい来るだろうから、受講生さんから刺激を受けたり学んだりできるだろうな、と思い、「世界一私に合ってない職業だ」と思いながらやってます。

——そうだったんですね(笑)。実際に講師をやってみて、どうでしたか?

最初は不安が大きかったですが、いざ始めてみたら、自分の知識や経験が意外とみなさんの役に立てているという感覚があって、まずそれが驚きでした。相談者さんも私も、お互いに描いてる者同士だから、情報共有ができるところも良いとこだなって。例えば、作画に使っているペンを聞いとき、それがめちゃめちゃ良くて、今はその受講者さんから教えてもらったペンをメインに使っていたりします。
あと、ネーム・プロットなど、アイデア段階の「出力の仕方」ってほんとに人それぞれで。マンガを作る前の構想段階のものって、なかなか表に出てこないものだから、それを見れるのもめっちゃ学びになりますね。世の中に出てるものってほぼ完成原稿じゃないですか。ネームとか、プロットとか、アイデアのまとめとか、企画をまとめた表とか…逆に私がすごい参考にさせてもらったり。
もちろん、私が学んでばかりじゃなく、その人にとってプラスのことを言わなきゃいけないのもあるので、 ひたすら「ごとう先生マインド」を自分に降ろして喋る…みたいな感じです。

——えの先生自身、ネームできる講座を、受講生として受けた時の感想はどうでしたか?
ふんわり捉えていたものが、めちゃめちゃ解像度が高くなって、 逐一「なるほど」って納得したのと、1番驚いたのは、「アイデア段階から相談していいんだ」ということですね。自分の「萌え」を書き出したりとか、「5つの要素」を埋めたりとか、そういうところも1つ1つにコメントをもらえて、1個ずつの工程ごとに相談できる感じで、「こうしたらもっと面白くなるんじゃないか」っていうアイデアをもらえるのが、私は1番の衝撃でしたね。マンガ家を目指す者は、全て自分でアイデアをひねり出し、1人で100%捜索しなきゃいけない、と思っていたので、そこに感動しました。

——その感覚は、とてもわかる気がします。最初は「マンガってこんな"勉強"するものなんだ」って、びっくりしますよね。
マンガって、「遊び」で描いてるものだと思われているっていうか、すごいキラキラした夢とか、憧れとか、自分の妄想した世界でみんなが楽しんでくれたら最高!みたいなイメージが強いから、それを理論的に計算づくで作ることなんてあるの!?って、なりますよね。

——とはいえ、最初は誰でも遊びから入るのかな、と思うんですけど、えの先生がマンガを「勉強しよう」と思ったきっかけはあったんですか?
きっかけは、「商業をやらないか」って編集さんに誘われたからですね。それまではずっと2次創作ばっかりやってきて、オリジナルもやってみたい気持ちはあったんですけど、やろうとしても、うまく描き続けられなかったんです。どうまとめていいのかわからない状態で。2次創作だったら、元々キャラありきで、「このキャラがこんなことしたら萌える」ということだけに集中すればいいから、2次創作ばっかりやってたんですけど、2次創作の本を見てくれた編集さんが、「うちのオリジナル商業誌で描かないか」って言ってくれて、「オリジナル描けないのにやばい」と思って。プロのマンガ家としてコンスタントにマンガを描いていくことがどうしてもできる気がしなくて、「漫画 描き方」とか「ネーム 描き方」で検索して、ヒットしたネームタンクに駆け込んだ、という感じです。



◎後編に続きます!◎

ここまで見てくださり、ありがとうございました!
前編はここで終わりです。後編(【インタビュー】マンガ愛が、あふれ出す。「萌え」の力でSNSバズマンガを生み出す個別相談講師"えの"の、偏愛!マンガ道【後編】。)では、えの先生の好きなマンガから溢れる偏愛まで、さらに深くお届けいたします!

後編はこちらから→



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