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【インタビュー】マンガ愛が、あふれ出す。「萌え」の力でSNSバズマンガを生み出す個別相談講師"えの"の、偏愛!マンガ道【後編】。

※こちらのインタビュー記事は、前編(【インタビュー】学びはずっと終わらない。「絵」が描きたいマンガ個別相談講師"えの"の、偏愛!マンガ道【前編】。)の続きです。まだそちらをお読みでない方は、先にご覧ください!


ドラゴンボールから始まった、東洋アクションファンタジー萌え

——えの先生が1番好きなマンガ作品って何ですか?
一生心のバイブルにしている作品はドラゴンボールです。兄が元々コミックを買っていて、私はこっそり見てました。私自身がドラゴンボールの血を受け継いでるかっていうと、別にそういうわけじゃないし、ドラゴンボールみたいな作品を描きたいと思ってるわけではないんですけど。いつ読んでも面白くて、世代っていうのもあるし、子供の頃から触れてたっていうのもあると思うんですけど。子供の頃はサンリオの可愛いノートに、ドラゴンボールのバトルシーンをめちゃめちゃ書いてましたね。

——ドラゴンボールというと、もう伝説的というか、ドラえもんみたいな、日本を代表するマンガですね。
多分、1番最初にマンガらしきものを描いたのは、ドラえもんだと思いますね。兄がめちゃくちゃちっちゃいマンガ本みたいなのを作っていて、私も真似したくて、マンガの豆本みたいなものを作ってましたね。
それが最初に描いたマンガだった気がするな。そのマンガをお母さんの誕生日プレゼントにするっていう。自分のマンガ体験の1番初めはドラえもんだったと思いますね。
私ずっと東洋系アクションファンタジーっていうジャンルを描きたいって言ってるんですけど、それって確かにドラゴンボールだなと思って。ドラゴンボールは東洋系アクションファンタジーだなと。
あとは『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』っていう中国の作品が好きです。今、京芸(※京都芸術大学の大学院マンガゼミ。えの先生は一部授業を担当中。)の中国人の生徒さんに好きな作品を言うとき、絶対「『羅小黒戦記』好きです。20回見ました」って自己紹介してます(笑)。『羅小黒戦記』の舞台は中国で、古い時代の中華系のデザインがある上に、バンバンアクションするし、ファンタジー要素あるし、完全に東洋系アクションファンタジーですね。
あとは、ドラクエのキャラで言うと、勇者パーティーの紅一点で、女子の武道家がいるんですよ。最近いるかわかんないんですけど、昔のドラクエは武闘家女子っていうのがメンバーにいて、中華系のコスチュームで。他はみんな西洋系だったりするんですけど、武闘家女子だけ中華系のカンフー系の格好をしていていて、そういうのめちゃめちゃ好きです。

——すごい、萌えが溢れ出していますね。
(笑)。極度の萌え型なので。

えの先生による『羅小黒戦記』ファンアート①
えの先生による『羅小黒戦記』ファンアート②



講師にも弱みがある。だからこそ、言えることもある

——えの先生が、講師として相談を受ける時にこだわっていることはありますか?
とにかく話しやすい空気を作るということですね。そうしないと私も苦しい、というのもあるんですけど、向こうも絶対、緊張していると思うので。


——話しやすい空気を作るコツはありますか?
他の講師の雰囲気を参考にしたりとか、やっぱり(ネームタンク代表の)ごとう先生はリラックスムードを作るのが上手いので、講師として働いている時間は、ごとう先生を(自分に)降ろす(笑)。最初の頃は、「もう、ごとう先生の真似をしよう」みたいな感じで始めて。だんだん自分らしい感じになってきているとは思うんですけどね。

——個別相談をやっていて、嬉しいときはありますか?
来てくれた方が最後に納得を得て、この先が楽しく描けそう、っていうテンションになって帰ってくれた時は、めちゃめちゃ嬉しいですね。

——えの先生自身と作り方が違うタイプの方もいらっしゃると思いますが、納得していただくために工夫していることはありますか?
真逆だからこそ、客観的に見れたりすることもあります。人によるんですけど、「排出タイプ※」の傾向のある人は、ここが描きたいんだな、っていうのがすごくわかりやすいですね。どっちかと言うと、「萌えタイプ※」の方が、私は作品作りが難しいと思っちゃうんですよ。自分がそうだし、苦労してるから。排出の人は自分とタイプは違うけど、言いたいことがすごく伝わってきて、まず描きたいことがある、言いたいことがあるんです。それって「勝ち確」だと私は思っているんです。これが描きたい、って言ってしまえば描けるじゃん、って思っちゃうんですよ。私は言いたいことが特にないから、それをどうやって「言いたいことがあるように」するのかっていうところに、苦労するんですよね。だから排出型の方はテーマがばっちり最初からある上で描き始められるので、そこさえちゃんと強く言えてしまえば成り立つな、っていう。言いたいことがある時点で、できてる。私からはそう見えるんですよね。

【※用語補足※】
東京ネームタンクでは、マンガ家の「創作タイプ」を分類。
▶︎萌え型:モノやキャラを尊い!と感じる萌えの感情をエネルギーに
▶︎排出型:自分の内側にある強い想いを外に排出したい!という感情をエネルギーに

※タイプは基本的に人それぞれ固有のもので、変わらないことが多い
◎「創作タイプ」について、より詳しくはこちらで解説しています◎


——視点が違うからこそ、むしろやりやすい。というのがあるんですね。
私は排出タイプの方がめちゃめちゃ羨ましくて、憧れがあるんですよ。(自分は)なれないんですけど。作品がブレる時って、こういう演出がやりたい、ということに引っ張られすぎてキャラがブレたりとか、シーンごとに「主義(=キャラクターが大切にしていること)」が違って見えるとか、そういうのでチグハグになっちゃったりすると思うんです。「これが言いたいんだ」っていう、核の部分がちゃんとブレずに持てている人って、作品は作りやすそうだなと思うんですよね。それをどう伝わりやすくできるのか、という見せ方の部分は得意分野なので、そこさえおさえたらめっちゃいいじゃん!って思うんですよ。

——でこぼこで補う、みたいな感じですかね。
チームワークですね。「苦手を補える」という意味では、タイプの違う人同士の相談は有意義になる場合もあると思うんです。同じタイプ同士だったら「こういうのいいよね」みたいなことでめちゃめちゃ盛り上がれる、っていう良さも、間違いなくあると思いますけど。



綺麗事抜きで、悩みにとことん向き合う。相談者と、二人三脚

——相談者へのメッセージがあったらおねがいします!
やりたいことの実現をお手伝いしたい気持ちが強いので、何かちょっとでもモヤっとしていることがあれば、気軽に相談に来ていただけたらと思います。これからマンガを描きたいという人にもおすすめしたいです。過去の私が衝撃を受けたように、「アイデア段階から相談できる」ので。完成原稿じゃなくてもいいし、なんならネームじゃなくてもいい。なんでも相談できる場所だからこそ、存在意義が強いと思っています。だから「怖くないよ」っていうことが言いたいです。

——みんなのやりたいことをサポートしたい、というポイントは、講師一同の気持ちですね。
私は本当に「教えたい」という気持ちは1ミリもなくて、「手伝いたい」という方が近いです。これでもいいんだ、って思ってもらえるように、制作のハードルを下げたいですね。私がやっぱり苦労してきたから。うまくいっていない人って、何らかの壁を感じていて、超えなきゃいけないハードルを超えられない、とか、完璧なものを目指さなきゃ、って無意識に思っていたりとか、やる気がありすぎるがあまり、肩に力が入りすぎて筆が進まないとか。そういうことで私も行き詰まりがちなので、ちょっとでもハードルを下げるお手伝いができたらいいですね。

逆に「商業で売れたい」という人の相談は難しいなと思います。編集部によって傾向や注文が違うので。どこの編集部を目指しているのか、「女性向け」「BL」「TL」とか、振り切ったジャンルを目指している人は話しやすいんですけど、一般誌寄りの媒体って難しくて。針の穴を通すような感じになったり、編集さんにも左右されるので。どういうところを目指しているのかとか、目標の持ち方とか、ハードルが高い人もいるから…誰でも来いとは、私はあんまり言えないんですけど。




◎えの先生へのインタビューは、以上です!◎

いかがだったでしょうか?ここまで見てくださり、ありがとうございました!
飾らず率直に、マンガ愛溢れるエピソードを聞かせてくださったえの先生。画力と探究心に加え、萌えエネルギー全開な先生への気軽なご相談、心よりお待ちしております!

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