漫画の描き方|ストーリー漫画が描けない人の、シンプルな理由
マンガが描けない…という人、なぜ描けないのか、もっともシンプルなただひとつの理由があります。
それは「絵が見えてない」からです。
頭の中にキャラクターの言動がありありと思い描けていたならば、あとはそれを写しとるだけ。ストーリーがはっきり想像できているなら、あとはなんとか紙の上に再現するのみですよね。
「絵が見えない」原因は二つ
しかしなかなかその「絵」は見えてきません。その原因の一つが、ストーリー、物語全体を想像しきれないパターン。キャラクターや事件をどう動かしたらいいかが分からず、場面が決まらないから想像が苦しい状況です。
読み切りとしてきっちりまとまったストーリーを作るのは、東京ネームタンクの「ネームできる講座」て力を入れていることです。物語に必須な5つの要素から、自分だけのしっかり想像できるストーリーを作っています。(ついに教室版が6月再開!動画版も好評です!)
描くべきストーリーが見えてくると、みんな生き生きと描き始めることができますね。
ただそこで、もうひとつの「絵が見えない」原因が出てきたりもします。これは、そのストーリーを表現するのに、「いい絵が見つけられない」というパターンです。
これはそもそもまだ漫画の絵に慣れてなく「いい絵」…いい表情だったりポーズだったり構図だったり、「いい!」とはなにかのストックが足りてない人に多い状況ですね。
また慣れた人でも稀に「いい絵」が見つけられず筆が止まってしまったりもします。それはたとえば「学校の廊下で口喧嘩をするシーン」のように「絵になりにくい場面」が必要になったときです。
そもそも会話って絵にしにくいんですよね。単調になっちゃう。二人のキャラクターのセリフの応酬があまり絵として楽しいものにならず、どう描いていいか分からない…こういうことはよくありがちです。
いかに絵になるシーンにしていくか
そういうときはストーリーを少しアレンジして、「絵になるシーンを自分の頭の中に作っていくこと」が解決策の一つです。
たとえばこんな風にするのはどうでしょうか。
口喧嘩がエスカレートして、怒った彼女は持っていたゴミ袋を彼の顔に投げつけ、ゴミがぶわっと舞う。
こんなシーンだったら絵が派手になって描きやすくなるのではないでしょうか。
こんなふうに、これなら描きやすいな、という、「絵になるシーン」を頭の中に作る力、これが漫画をスムーズに楽しく描いていくには大事な能力の一つです。
そしてようやく本題、今回お話ししたかったのは、5月の「漫画力UPワークショップ」が図らずもハードになってしまい、しかしそのためにとても鍛えられた件についてです。作例を紹介しますので、「絵にする」ってどういうことか、体感してもらいたいです。
前回は「異世界転生ももたろう」を扱ったのですが、今回は「うらしまたろう」を課題作にしました。
うらしまたろうのSF感あるラストを覚えているか
うらしまたろうのあらすじってすごいんですよ。
ぜひここのあらすじ見てみてほしいです。
カメを助けた浦島太郎は竜宮城に連れて行かれて感謝されるんですが、乙姫様が不穏に引き止めてくるんですよ…そして現世に戻ってきたら…700年の時が経っている。
700年!?
今回も原作をちょっとアレンジして8Pで描けるようにしたんですが、難しかったと思います。それはなぜかと言えば、先に書いたように700年の時を超えたそこに何があるのか、しっかり想像することがまず難しい。
状況としてもそうですし、心情としてもそうです。
こんな風に内容を割り振って、みんなで8Pネームに取り組みました。
1. カメを助ける
2. カメが擬人化
3. 竜宮城に連れていくという
4. 断る!(怖いから)
5. 時を超えるという「超時空タマテボックス」を開けろとカメが迫ってくる
6. 絶対嫌!とドタバタしてたら開いちゃう
7. 1000年後
8. 二人のいい雰囲気
7P目がポイントですね。さあこの1000年後(700年よりさらに盛りました)にどれだけ想像力を働かせ、自分の描ける絵を見つけることができるか。このたくましく想像していく力を鍛えるのは、まずは課題に取り組むこと、そして他の人の作例を見て、たくさんインプットすることだと思います。
参加してくれたみなさんの答えをいくつかピックアップして紹介しますね!
「漫画力UPワークショップ」参加者の作例
↑まさかのバトル展開…!
↑ドキドキ!超時空タマテボックスのデザインもいい!
↑いい感じのSFテイスト。オチもいい…!
↑シンプルなんですが絵が楽しい!
↑女の子のキャラいきいきしてる…!
↑見事…!シンプルかつエレガント!
↑感情のやりとりに興味を持ててますね…!
↑必要最低限の手数で最大効果を生んでいると思います!
↑情報の伝え方がうまい…!楽しめている感じ伝わってきます!
ごとうの作例も載せますね
絵で見せていくことを考えたとき、どんな「いい絵」を入れたら読者の心を掴めるか、を考えてクライマックスの絵を決めました。最初からクライマックスを決めていたのではなく、その場でもっとも映えるものを選んでます。
子供「うるせーダメリーマン しゃちくしゃちく社会の歯車〜」
カメ「危うく滅ぼしちゃうところでした★」
カメ「あなたの欲しいもの、もう現世にないですよ☆」(算出しました!)
会社とかぜーんぶ滅んだ世界
基礎力をつけていけば誰でも「絵が見えてくる」
今回のまとめとして、漫画を描けるようになるためには「絵が見えるようになる」のが大事です。でもこればかりはどうしても時間がかかるものです。
月一回の「漫画力UPワークショップ」ではその力をもっとも早く効果的につけていくことを考えて設計しています。どなたでも参加できますのでぜひ次回もお申し込みお待ちしてます。(次回はもうちょっと難易度下げる予定…!)
初心者の方も歓迎です!
みんな誰しもうまくいかない時代を通ってきてます。壁にぶつかりながらもがんばっている姿を誰が笑えましょう。
みんなで楽しく漫画力UPしていきましょうね!
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