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漫画の描き方|売れている他の漫画家と自分を比べ、劣等感に陥りマンガを描く事が出来ない #009

「売れている他の漫画家と自分を比べ、劣等感に陥りマンガを描く事が出来ない」短い文章ですが、ここから苦しみが伝わってきますね。

絵が上手い他の人と比べて劣等感を感じてしまう、という相談も受けるのですが、さらにその先の「売れている他の漫画家と比べる」という考えを持つ時点で、「売れる漫画家にならなければ意味がないのだ…」という強迫観念さえも感じます。

「描くことができない」と言われているので、まだ漫画家になっていない、志望者であることとしてお話しさせてもらいますね。

漫画を描くモチベーションがどこにあるか

まず、今の考えを持っていると、漫画家を目指すことがギャンブルになってしまう、ということをお伝えしなくてはいけません。

漫画家になるモチベーションには、大きく2つあります。漫画を描いてヒット作を出し、お金持ちになって、大きな家やいい車を手に入れたい、モテて彼女が欲しい、という漫画の外に欲求がある場合、が1つ。

そしてもう1つは、ただ漫画を描くことが楽しくて、自分や届けたい人に向けて漫画を作っていくそのことがすでに喜びであり目的になっている場合。こちらは漫画そのものに欲求があります。

今回のご相談は「売れている他の漫画家と比べ」ということなので、そもそも「売れたい」という考えがあると思います。そう考えると前者の欲求に近いですね。

売れるかどうかは誰にも分からない

その作品が売れるかどうか、そして売れる作品を持つ漫画家になれるかどうか。これは誰にも保証できません。

それは商業的なヒットというのは本当にさまざまな要因があり、これをやれば絶対確実、というものは現在のところ見つけられていないからです。もしかしたらAiの進化で分かるようになるかもしれませんが。

ヒット作になるかどうかは運の部分も大きくあります。表紙の色のただ一色の違いだけで、当たったり当たらなかったりするような、微妙なパラメーターが星の数ほどあります。

ですから、ヒット漫画家になれるかどうかは、ほぼギャンブルです。ギャンブルを否定するものではありませんが、ギャンブルに挑むならまずはその覚悟と、未来を恐れず勝負を楽しむタフな心が必要になります。

漫画にモチベーションがあるなら負け知らず

一方で漫画家すべてがギャンブラーなわけでは決してありません。自分の好きなものや伝えたいものを原稿にして、読者に届けていくことそのものが目的の人は、この時代いますぐ漫画家になれます。

自分の想いをマンガに描いて、TwitterやPixivやなんでもSNSに載せ、誰かの元へ届けば、その時点で夢や目標は叶い始めます。それを続けて、その結果どこかで作品がヒットすることもあるかもしれませんね。でもそれはあくまで副次的な景品です。

こちらの場合は負け知らずです。最初の時点から自分のやりたいことができているのですからね。

「売れている他の漫画家と自分を比べ、劣等感に陥りマンガを描く事が出来ない」

こちらの答えとして、まず自分でも他者でもいい「読者」のことを考えてみるのはどうでしょうか。「読者に何を届けていくのか」そこに夢中になっていれば、この発想を根本から解決することができるはずです。

劣等感、苦しみは必ず漫画にできる

いただいた悩みの一文は、苦しみがにじみ出た一文でした。僕はその感情こそ、漫画で描いていくべきものだと思います。

目の前の原稿に、その苦しみを全力で投入する。それでできた作品は、必ずあなたにとって価値のある一作になるはずです。売れなきゃ意味がない…という考えに寄ってしまうのも分かりますが、価値観は多様です。売れようが売れまいがまずあなたの一作に価値があることも認めてほしいです。

そうやって目の前の一作一作に集中できたら、結果ヒットの可能性も増していき、この悩みはあらゆる意味で解決に向かえると思います。

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