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漫画の描き方|すべての商業漫画の核となる要素に名前をつけた結果

※今回は大事なキーワードを明かします!

僕が20代前半に漫画を本格的に描き始め、編集部に通って延々続くボツに苛まれていたとき…信頼できる「漫画技術の体系化」がどこを探しても見つからないことに絶望していました。

漫画のHowto本はたくさんあるのですが、どれも作画に関してばかりで、物語作りについて稀にあっても、その著者ならではの方法論というものが多く、自分に適用することは難しく思えました。

編集者からは「こんなの基礎だよ基礎!」と言われるのですが、その基礎を習ったこともないし、どこを探してもないのです。自分で基礎とは何か探りながら学ぶのは…とても長い道のりになってしまう。そんな方法しかないのか…

そしてそんな方法しかなかったんです。それから10年以上かかりました。
基礎がないなら、基礎を作るしかなかった。トライ&エラーを繰り返し、商業漫画を構成する最低限の要素、その頻出する順序と箇所を探りました。

実は僕が連載をしていたときも、分からないままガムシャラにやってました…。連載が終わり改めて整理し、ようやく完成したのが、NDS「ネームできるシステム」です。

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↑これは全部トライ&エラーの最中のボツネームです

いま東京ネームタンクの「ネームできる講座」ではこのNDS「ネームできるシステム」をお伝えしています。NDSでは「日本の商業作品に共通して見られる要素と構造は何か」ということを追求し精査しています。

NDSでは物語は「5つの要素」から構成される、とします。
その中でとくに重要なのが、読切漫画、連載漫画、の「核」となる要素です。それは一体何か。

この要素を明らかにできたことは、東京ネームタンクでの受講者のみなさんのさまざまな成果と無関係ではないと思います。開始3年半の段階での受賞、掲載、連載作品は100作品以上毎月2,3作品は受賞か掲載、連載が始まるという状況です。もちろんみなさまの頑張りの結果に他なりませんが、他にこれ以上の成果がある漫画学校はないのでは…と思います。

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「名探偵コナン」「進撃の巨人」「君の名は」に共通の要素

すべてのエンターテイメント作品の序盤に入ってくる「企画の核」となる要素はなにか。思い当たるものはあるでしょうか。32Pの読切だったら、だいたい10Pまでには必ず入っています。それは一体なんだと思いますか。

ほとんどすべての作品、エッセイや日記系だけは除外なのですが、そうでないものにはほぼ入っている…意外と思い浮かばないのではないでしょうか。

なぜ出ないのかと言えば、ここにその言葉がなかったからです。

漫画作りの難しさはまさにここです。深く考えるべき部分にそもそも名前すらない。考えようにも焦点を定めきれません。漫画家も編集者も「名前のないもの」を共有しきれずに混迷してしまう。

すべての作品に入っていて、

企画の大元、核となるもの。

それは一体なにか。

まだ名前のなかったその要素に…

『コレドナ感』(コレどーなっちゃうの感)と名付けました

コレドナ感とは、「コレどーなっちゃうの感」の略です。

どんな物語にも、序盤に読者に「これどーなっちゃうの?」と思わせる、ということは共通しているのではないでしょうか。

・高校生探偵が小学生の姿になっちゃう
・超大型巨人が壁を破壊した
・東京と岐阜で身体が入れ替わっちゃう

この読者や観客に「どーなっちゃうの?」と思わせる要素、これを広く「コレドナ感」と呼ぶようにしよう。これがNDS完成に近付く大きな一歩でした。

ある程度の賞までだったら、この「コレドナ感」を強く意識するだけでなんとかなったりします。みなさんの今描いている作品の「コレドナ感」はなんですか?それを言葉にできるでしょうか。

『コレドナ感』というワードを解禁します

コレドナ感、これが分かるといろんな作品のコンセプトが明確になりますよね。

実は今までこの「コレドナ感」というワードについて、いろいろ分かりすぎてしまうことで、受講者が少なくなったり、受講した時の驚きが減るかな…と怯えて、参加者の方には秘密のワードにしてもらうようお願いしていました。

しかし僕も基礎がないことに苦労してきました。漫画作りの基礎、土台の部分はもっと広まっていいと思います。受講時の驚きはやや減ったとしても、そこで改めてお話しする「コレドナ感」の種類やポイントなど、理解がより深まるはず、と思い直しました。

打ち合わせが難しいのも、共通する言語がない、ということが原因の一つにあると思います。ぜひ編集者の方にもこの「コレドナ感」というワード、お伝えしてもらって構いません。

みんなが「コレドナ感」を語り合う中で物語制作の基礎や考察がもっと広まり深まっていって欲しいなと願っています。

もしよかったらTwitterなどSNSで「コレドナ感」というワードを使う際に #東京ネームタンク というハッシュタグをつけてもらえると嬉しいです。どのような使われ方をされるのか、研究を進めたいと思っています。

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漫画の企画の核…『コレドナ感』まとめ

「コレドナ感」ご納得いただけたでしょうか。

まとめ

◆ 日本の商業作品の大元には必ず「コレドナ感」が入っている
「コレドナ感」は序盤、32P読切なら10P以内には入ってくる
言語が共通になれば、ネーム相談はどの相手でもよりスムーズになるはず
「コレドナ感」を使うときは #東京ネームタンク も使ってね!

最後に「コレドナ感」を含めた「5つの要素」のクリーンインストールのために「ネームできる講座」もご紹介させてください。教室版と動画版があります。講師が丁寧に解説し、実際に32Pネームを作りながら身につけます。

ワードだけが一人歩きしてしまうことだけは恐れており…「コレドナ感」を効果的に使ってネームを完成させることが何より大事です!まずはレポート漫画など読んでいただき、どんな講座か知ってみてくださいね!

さあ今日から「コレドナ感」を解放したことで漫画制作の現場に変化は訪れるでしょうか。未来を想い、僕は今とても「コレドナ感」を感じています!

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