漫画の描き方|それぞれ漫画ジャンルによって求められるものとは #022
少年漫画、少女漫画、青年漫画、いったい何が求められるのか、何が描ければいいのか、ということは一概には言えなそうです。大きく時代によっても、細かく雑誌ごとに見ても、求められるものは違いそうですよね。
想定する読者もなかなかに複雑です。今や少年漫画を大人も女性も読む時代です。少年漫画というジャンルが「10代の男の子読者に向けたもの」という意味ではなくなってきています。
そんな風に漫画を取り巻く状況というのは変わっていきますが、しかしその大元の価値というのは変わらないのではないかと思います。変わっているのはその価値の捉え方のほうではないでしょうか。
少年漫画、少女漫画、に求められるもの、それは答えから言って…
少年心をくすぐるワクワク
少女心に秘めたドキドキ
ではないでしょうか。
少年少女の心は年齢男女問わず誰しもが持っている
「少年」というものが、すでにそれだけでいいものなのだと思います。
そこにある良さ、どの点を良いと思うのかは人それぞれあるんじゃないかとは思います。未成熟の、その瞬間だけの、少年の姿というのは、人間として生きる上で誰しもが通りその価値を共有するものではないでしょうか。
「秘密基地」っていう言葉にワクワクしない人っているのかな。
きっと誰の中にも少年の心は存在して、そこをいい感じに刺激してくる、思い出させてくれる、そういうものこそ「少年漫画」なのだと思います。
そして「少年の心をくすぐる」その良さというものを、いまは大人でも女性でも、「いいものだよね」と受け取れるようになった社会だと思います。
もしかしたら昭和の時代は、「大の大人がそんな子どもっぽいものを…」と否定されたのかもしれません。しかしこの現代、価値観は人それぞれさまざまなのだということ、いいものはいい、誰にも否定されるものじゃない、当たり前のことですが、ようやく当たり前と言える時代になりました。
そうなったときに、この「少年漫画の持つ価値」というものが、みんなのものになったのだと思います。
いまこそ自分を見つめたい
みなさんの中にも、少年の心というのはあるのだと思います。自分の中の少年はどんなときにワクワク高揚するでしょうか。秘密基地、ダークヒーロー、秘宝をめぐる大冒険、人類衰退後の世界…
厨二病というのもよく言ったものですよね。これはラジオの中で伊集院さんが言い出したことなんじゃないかと思うのですが、中二の自分がカッコイイ…と痺れていたもの。
少年の良さってなんだと思いますか?
少女の良さってなんだと思いますか?
青年の良さってなんだと思いますか?
と聞かれてあなたが想像するもの。それがもっと際立つシチュエーションを用意できれば、それぞれのジャンルの漫画をブレずに描くことができると思います。
2020年の状況でいうと、スマホで読めるマンガアプリがとても増え、各マンガアプリが自分の持っていないジャンルを補完し続けた結果、どのアプリも少年少女青年などオールジャンル化が進んでいます。
そうなってくると少年漫画を読みに来た人が少女漫画に触れたり、読者の境はさらにあいまいになっていきます。描き手もそうですね。今少年漫画の漫画家の半数、もしくはそれ以上は女性漫画家かもしれません。
しかし誰が読もうと、誰が描こうと、いつの時代になろうとも、大元に描こうとしている魅力が「少年少女青年…どの心に呼びかけるものなのか」
人間であるかぎり少年少女青年が魅力的でなくなることってないと思います。ここさえ見失わず追求することができれば、どんなときも描くべき漫画の形が見えてくると思います。
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