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漫画の描き方まとめ|ストーリーが詰まってしまう時の解決法…他10選

こんにちは!東京ネームタンクのごとうです。

たぶん今、日本で一番ネームを読む人の一人になっていると思います。毎日みなさんのネームと向き合う中で、それぞれお伝えしていること、細かい知見をまとめていこうと思います。

今回は主に東京ネームタンクの「ネームできる講座」10月期で最後にでき上がった作品に対して、みなさんそれぞれへの創作ポイントです。

顔マンガになる人は「演出ストック」を作る

コマ割りが単調になってキャラの顔ばかりが並んでしまう人は、コマを埋める際にパッと思い浮かぶ絵のレパートリーが少ないことに一因があります。

解決するためにはまず「いい絵」のストックが必要。これは漫画を読む中で「いいな!」と思ったコマがあれば、そのコマをスクラップしておくのがオススメです。

スクラップするたびに見返すことになるので頭に定着していきます。その頭に入った演出ストックは無理してアウトプットする必要はなく、溜まっていけば自然に自分の中で融合して、手から出てくるようになりますよ!

主人公が求めるものは主人公の人生から導く

ストーリーには必ず序盤に、主人公の欲求、追い求めるものが入ります。これをクライマックスのシーンから逆算することも、できるにはできます。例えば敵に打ち勝つクライマックスなら、勝利を求める主人公にするなど。

ただそれだと作者が気持ちを乗せられない可能性があります。むしろもっとそのストーリーが終わり、読切や連載のエンディングの後になお続いていく主人公の人生の中で、最も満たされる瞬間は何か。どんな人生を引き続き求めていくか。そこを見つけた上で、その第一歩目を欲求として持たせる。

またその追い求めるものに、作者も魂を乗せられることが大事です。特に連載では物語のために作られたキャラでは強度が足りません。

優しい人はストーリー中盤に気をつけよう

ストーリーの中盤に、主人公たちが自ら立てた作戦に挑んでいくような展開はよくあることです。ただしこの作戦を実行し始めると、途端になんだかスカスカして描きにくくなってしまう。

これは本来描くべき「成功させたい!」みたいな強い想いの密度が、実行し実現できていってしまうことで薄まるからです。

主人公を困らせたくない、上手くいかせてあげたい。優しい人ほど、主人公の行動にすぐ結果を出させてしまいます。まずそもそもその作戦に着手すらできない。それくらいの邪魔の仕方をさせてみてください!

なんとも言えない感情は、まったりゆっくり味わせる

二人の掛け合い、ドタバタコメディ、次々に起こる出来事で慌ただしく描くのは、賑やかで楽しげに見えやすく、そのことから読者もきっと楽しんでくれてるだろうと安心感を得ることができます。実際分かりやい喜怒哀楽の連続は楽しいものです。

しかしそういう作風に慣れている人は、情感たっぷりのクライマックスの「間」に自信を持てなかったりします。クライマックス付近は、喜怒哀楽やいろいろな感情が融合した、言葉にできない想いが描かれます。

それは一瞬では受け取れきれないもの。じっくり描き、読者が受け取る時間が必要です。この「間」を恐れることはありません。複雑で重層的な想いが入っているなら、読者はいくらでも待ってくれます!

エピソードが間延びする人は感情の濃度に気を付ける

ページが長くなってしまう、本題に入るまでに時間がかかる、という人、どのエピソードを削ればいいか分からない場合は、感情の濃度に注目して欲しいです。喜怒哀楽、キャラクターの気持ちや想いが濃いか。

他と比べて薄く感じるエピソードが続くときは、前後のエピソードを一つにできないか、そして感情を重ねられないか挑戦してみて欲しいです。感情の濃度を保つことを忘れないように。

頭に映像がある人は紙芝居を意識する

頭の中の映像から99%削って1%を切り出すのが漫画。どこを切り出すのか考えてみると整理ができます。32Pの読切なら、まずそのストーリーの中で絶対描きたい絵はどんな絵か10枚選んでみる。たった10枚です。アニメは一本何万枚という絵が必要ですが、漫画は真逆。

読切漫画32ページというのは、4ページ×8~10個くらいのエピソードでできてます。10枚選んだら、次は1ページに1枚くらいのペースで、残り20枚のいい絵を意識する。最初選んだ10枚を最も映えるようにしながら、残りの20枚を配置する。漫画はそれだけです。

感情の強さに合わせて、主人公と距離を縮める

クライマックスに向けて主人公の気持ちは強いものになっていくと思います。その強くなっていく想いを、読者に的確に伝えていく必要があります。シンプルに言って、遠くにいる人と近くにいる人では、近くにいる人の方が気持ちが伝わります。

クライマックスに近くに連れて、基本的にはカメラを主人公に近づけていき、アップを多くしていく。表情から細かい機微が受け取れるくらいまで寄っていく。逆に冒頭は感情よりも、今どんな状況なのかが知りたいので、カメラを引き(ロング)気味にする。

感情の強さとカメラの位置を比例させてください!

もっと深いテーマを、と言われるときは

「友情っていいよね」とか「恋っていいよね」とか、その作品から伝わってくるものがシンプルなほど、対象読者が若い人に感じると思います。少年漫画、少女漫画は揺るがない普遍的な価値観を描きます。

一方で「友情(恋)って本当にいいものだろうか?」みたいにその価値がどんなものか確かめようとするのは、大人の発想です。特にクライマックスでもその答えを読者に投げかけるような作品は、大人向けに感じますね。

対象読者によってこの調整が必要です。小学生に大人の価値観を語るのはエゴになってしまうので、読者に何を語るのかを意識したいですね。

バッドエンドは追い求めたものの答えを示す

ストーリーはハッピーエンドだけではありません。バッドエンドも立派な終わり方の一つ。ただハッピーエンドが好きじゃないから、と物語をきちんと終わらせられない人も多いです。それはバッド「エンド」にもなっていないので。

ストーリーをしっかり終わらせるには、主人公が冒頭から追い求めていたものに「それは手に入らなかったのだ」と受入れさせることです。受け入れられなくても、受け入れられないのが人生なのだ、と、追い求めた結果や答えを見せることです。

それさえ押さえれば、物語をしっかり終わらせることができますよ!

ストーリーが詰まってしまう時の解決法

ストーリーが詰まってしまう時の多くは「ここで主人公にこういう行動を取らせたいけど、そんな気持ちになってくれない」というように、キャラクターの気持ちがスムーズに流れない時というのがありがちです。

感情は直接的に操作できないし、操作してしまうと、ストーリーの都合で動く人間に見えてしまい、魅力が出ません。むしろキャラクターを取り巻く状況を変化させてみて欲しいです。

めっちゃ臆病で上司に逆らえない部下も、100回怒られたり、好きな女の子が見てたり、目の前に伝説の剣があったり、状況によっては動いてくれます。状況で感情を操れるようになると物語作りは柔軟に楽しくなりますよ!

人間に興味を持てている人は強い

漫画はキャラクター、人間を描いていくものです。ある人間が、ある状況に陥って、ある想いを抱き、ある答えを得る。シンプルに言ってこれだけです。

どんな人間の話なんだ、という時に、そのキャラクターの人生に興味を持ち、深く考えられる人は強いです。人間はほとんど必ず、その人生に大きな影響を与えた一言や瞬間があるはずです。今のあなたを作っているものはなんですか?

こだわってしまう、こだわらざるを得ない、逃れられない価値観をキャラクターに持たせることができたら、漫画はもう成功したも同然です。

まとめ

今回は以上になります。いかがだったでしょうか。

東京ネームタンクでは最初にストーリー漫画の構造をみなさんに伝えています。構造を理解した上で、みんながそれぞれのクセで意識できていなかったポイントをチェックしていくのが効果的です。

まだ描いたことのない初心者の方は1日講座の「8Pネームできる講座」、すでに何作か描いて難しさに気付いてる人は「ネームできる講座」がオススメです。お試しとしては「漫画力UPワークショップ」もお手軽ですよ!

みなさんの良きタイミングで。いつでもお待ちしておりますね!

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