漫画の描き方|自分のマンガのジャンルを決めるには #002
自分がどんな漫画を描いていくともっとも評価につながるのか、自分のジャンルが知りたいという気持ちはよく分かります。まずジャンルとは何か。
これは本屋さんの棚を思い出すと理解がしやすいと思います。
本屋さんには、みんな欲しい本を探しにいきますよね。本屋さんはみんなが求めている本を見つけやすいように棚を作ります。
「少年、バトル」「少女、恋愛」など、これが「ジャンル」ですよね。つまりジャンルとは読者が「求めている趣向」になります。
ですから自分のジャンルが決まっているということは「読者に何を売っていくか」が決まることでもあります。
さてでは、自分のジャンルはどうやって決まるのでしょうか。もともとの作者の性質から決まってくることもありますし、ある程度自分で決めいてく必要もあると思います。
対象読者によるジャンル分け
まずジャンルと言われて思い当たるのが、対象読者による区分です。
・幼年
・少年
・少女
・青年
・女性
・成人
このあたりですね。少年漫画とか少年向けとか、そういう言い方をされます。
しかしまずは執筆時の2020年現在、この読者による区分はとてもあいまいになっていることをお伝えしておきます。これはいろいろな状況から徐々に変化してきたと考えられます。
一つの原因はマンガアプリの成熟だと思います。スマートフォンのアプリでマンガを配信するようになり、アプリが出た当初は「少年向け作品に強い」とか「大人の女性に強い」とか、アプリごとに特色がありました。
しかしより多くの読者を獲得するために、アプリ内で足りない作品を補い続けた結果、今はどのアプリもオールジャンル化しています。少女漫画を読みに来て、少年漫画が目に入り触れていく、ことがよく起きます。
また少年漫画を好む女性も多く、今の少年誌には女性の漫画家も多いですし「少年漫画が好きな女性向け」レーベルもあるくらいです。このように現在対象読者によるジャンル分けはとても境が分かりにくくなっています。
作品の題材、ウリによるジャンル分け
ジャンルといえばもう一つ
・バトル
・スポーツ
・ラブコメ
・ミステリー
・ホラー
・ファンタジー
・日常
・仕事
・グルメ
・SF
などなど…何を魅せていくかによるジャンル分けもありますね。
こちらはよりはっきりと自分が魅せていくジャンルを決めた方が評価につながると思います。もしここにひとつも当てはまらないなら、読者の多くが求めているものが入っていないことになってしまいますね。
またバトルありラブコメありホラーあり、と複数に跨るのも、どこを魅せていくマンガなのか受け取りにくくなってしまいますので、基本はラブコメ、バトルもちょっとある、というようにメインのジャンルを絞りたいです。
自分のジャンルをどうやって決めるか
まず対象読者のジャンルについて、こちらは「どの年齢層に読んでほしいのか」ということで決められると思います。大きく分けるなら、子供達の心を動かしたいのか、大人の心を動かしたいのか。
マンガは「手紙」です。手紙を誰に渡していきたいのか。自分で決めるのがまず一つです。
また、楽しんでもらえる人に渡したい、ということもあると思います。その場合はあなたの「手紙」の内容を確かめたいです。
少年・少女向け、の場合は「友情っていいよね」「正義は勝つよね」「恋愛は素敵だよね」と分かりやすくその価値の素晴らしさを伝えていく内容が向いています。
逆に「真の友情とはなんだろうか」とか「正義ほど愚かなことはない」とか、一方的に何かの価値を賞賛するのではなく、別の見方や一般的な価値観を否定するなら、それは大人が読んで楽しめるものです。
自分の手紙の内容から「誰に楽しんでもらえるか」ある程度分かりますね。
もちろん「大人向けの考えを少年に読ませたい」というように読者をずらしていくやり方も考えられますが、そのときはよほど丁寧にやらないと、押しつけになってしまうと思います。
作品のウリは自分の気持ち次第
・バトル・スポーツ・ラブコメ・ミステリー・ホラー・SF etc…
創作ジャンルはまずあなたが描いて楽しいものを選んでほしいです。バトルマンガを描く漫画家はずっとバトルマンガを描きますよね。ラブコメの漫画家はずっとラブコメです。作品ごとにジャンルを変える漫画家は実はかなり少数です。
同じジャンルを描き続けられるのは、それが得意だからということもあると思いますが、何より「好き」でなければ続けられません。
描いていて楽しいのが「戦闘」なのか「ラブ」なのか「謎」なのか。ジャンルは自分の「好き」で決める。そうでなければいつか苦しくなってしまいます。
「好き」を見つけるのも難しいことではありますが、「上手くかけるから好きになるのか」「好きだから上手くなるのか」どちらにしても挑戦していくなかで徐々に見えてくるものだと思います。
まだジャンルが決まっていない人は、まずは少ページからいろいろなジャンルを試してみて「自分は何を楽しく描けるのか」探ってみるのはどうでしょうか。
▼noteマガジン『漫画家のいろはマガジン』
https://note.com/nametank/m/mc263630666f1
▼Q&Aサイト『漫画家のいろは』
https://iroha.nametank.jp
ジャンルについては動画でもお話ししています。
◆最新情報はメールマガジン『東京ネームタンク通信』をチェック!
今回の記事のように漫画制作に活かせる有用な情報を無料でお届けします。月一回のプレミアムメルマガです!ご登録はこちらから。