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漫画の描き方|締め切りの守り方 #005

漫画家にとって一番大事な心構えは何か?
と、問われた時になんて答えるでしょうか。

この答えは僕が宇宙兄弟の編集者佐渡島庸平さんとやっている「コルクラボマンガ専科」という中で、もう1人の講師である山田ズーニーさんから聞いたことをお話ししたいと思います。

山田ズーニーさんはずっと高校生向け小論文の描き方のテキストを作っていた編集者で、独立して文筆業を始めた時に、尊敬する作家の先生に同じ質問をしたそうです。

「作家にとって一番大切な心構えはなんですか?」

そのときの答えが、読者に対する想いでもなく、技術の追求でもなく、
「締め切りを守ることです」
と言われて、ズーニーさんはとてもはっとしたそう。

締め切りを守ることは漫画家として何より大事

締め切りを守ることは、漫画家としてなにより大事。これは、漫画家としての信用を保つとか、そういう意味ももちろんあると思います。でも、きっともっと深い本質がそこに語られていそうです。

締め切りを守るということは、予定通りの進行で納品するということ。
つまり追い詰められてバタバタとこれで凌ぐしかない!みたいに8割の完成度で読者に渡す、というわけではないこと。

推敲、ブラッシュアップの時間もしっかりとり、ネームも作画も、その完成度を上げられるということ。この作業が取れないということは漫画家として「成長の時間」を失うということでもあります。

また、そう言われたズーニーさんが締め切りを守れるようになるまで、年単位の時間がかかったそう。締め切りにルーズな人がしっかり守れるようになるには、それは体質の改善に近い、人間の改造が必要になるからです。

そこまで考えて、生き方まで左右してくるのがこの「締め切り」だと思います。

なぜ締め切りを守れないのか

僕自身は漫画家時代に一度も締め切りを延ばしてもらったことはありません。(これは担当が怖かっただけです…)しかしネームタンクの仕事では苦い思い出があります。

講義に対していただいている感想ハガキのわずかなデザイン変更、15分くらいで終わる仕事です。これを社内のデザイナーの仕事を減らしたくて僕が請け負ったんです。

たった15分。ちょっと時間をとればできるはずです。でもこれができなかった。1週間経っても2週間経っても手がつけられず、もう観念してスタッフに謝ってやってもらうことにしました。

なぜこれができなかったのか。僕自身反省もありながら不思議になってしまって、その原因を分析しました。

15分という見積もりの方法を誤っている

「15分で終わるな」という発想に問題があるのだということに気づきました。実はこれは「頑張れば、15分で終わる」という発想がどこかにある。本気で集中すれば15分で済むはず。そんな考えです。

しかしこの見積もり方だと、逆に言えば「頑張らないと15分では終わらない」のですね。だから頭が、頑張らないといけない仕事だ、と認識している。これが動きを鈍らせます。

日々のさまざまな業務で疲れもある中で、ただの15分ではなく、本気で集中する15分を取ることが難しかったんです。厄介なのは…僕は今でもその仕事を15分で終わると感じてしまっています。ここを矯正しなくてはいけません。

進捗管理は「ログ取り」に尽きる

僕は「マンガ技術研究会」という、現代に生き残るクリエイターになるためのさまざまな研究をするオンラインサロンも運営しているのですが、ここで「マンガ進捗管理研究」をしたことがありました。

そこで進捗管理がどうしたらできるようになるか、上手な人から知見をもらった結果、とにかく自分に「なんの作業があるか」「それにどれくらいかかるか」を知ることが最重要であることが分かりました。

自分の作業にかかる時間を知る。作業時間を計るアプリはたくさん出ています。進捗管理は、自分の作業にどれくらいかかるか「時間を計る」ところから始めます。それが分かってようやく予定を組むことができるようになります。

研究会では、作業時間だけでなく、1日にやっていることのすべての時間も計ってみた人がいました。その人たちが声を揃えるのが、自分はこんなにサボっていたのか、ということ。

怖いですよね…時間を把握するという考えがないと、サボっていることにさえ自覚できず、長い時間を費やしてしまいます。

未来の時間に期待しない

僕自身、これまではカレンダーにやるべきことだけ書き込んでいました。そこを改善し、そのタスクにかかりそうな時間を予想し枠を取るようにしました。

そうすることで明日以降2週間くらい先までみっちり隙間がないことが可視化されます。その状態では「この仕事は今やらないと未来にやる時間はないぞ…」ということに、嫌が応にも気付かされます。

「作業時間のログを取ること」それを元にスケジュールを組むこと。
締め切りは「気合い」や「頑張り」ではどうにもなりません。人間を改造するつもりで取り組む必要がありますね。

▼オンラインサロン『マンガ技術研究会』
「何があっても生き残るクリエイターを目指す」オンライン研究会です。
これまでの研究まとめも全部アーカイブされてます。
https://manga-tech.jp

▼noteマガジン『漫画家のいろはマガジン』

https://note.com/nametank/m/mc263630666f1
▼Q&Aサイト『漫画家のいろは』
https://iroha.nametank.jp

動画でもお話しています。

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