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そうか漫画の打ち合わせは会社の報連相だったのか

こんにちは、東京ネームタンクのごとうです。
先日金曜日の夜は毎月開催している「少女まんが勉強会」の日でした。大ヒット少女漫画を多数手掛ける編集者のしーげるさんをお招きして、少女漫画家、志望者からさまざまな質問や悩みに答えています。

その中で最後に取り上げた悩み、「コンペに落ちた作品に対しての編集者の言い分がなにかズレている気がする」ということ。

漫画を雑誌に載せるにあたっては編集部ごとにいろいろなパターンがあって、編集長の許可を取って載せるところもあれば、編集者が集まる掲載・連載会議で掲載可否を決めることもあるそうです。

今回は掲載会議パターン。きっとそこで何かしらの要因があって落選したのだと思うのですが、そこに対しての編集者の言葉がどうにもはっきりしない。腑に落ちない。

僕はこの話を聞いていて、ああこれ…なんか全然違うところで聞き覚えのある話だなと思っていました。そうかこれって…

「会社における報連相なんだ」
そしてこの報連相がめっちゃ苦手な人っているんだよな…ということ。

世の中には事実を報告できない人がいる

みなさん知っていますか…「東京ネームタンク」も実は会社なのです。
こんな感じですが僕も実は社長で「株式会社漫画仲間」の代表をしています。電話口で「漫画仲間です!」って言うとその時点で仲間感演出できるので気に入っている会社名です。

そういうことなので日々の半分は会社運営をしています。法人になってからの3年間、いろいろな人とたくさんのビジネスのやりとりをし、当然起こる無数のトラブルもその都度乗り越えて来ました。

そこで思い知ったのが、そもそも正確な情報伝達ができないと、上司と部下の間でも、部下と取引先との間でもひたすら上手くいかないのだ…ということ。

よく言いますよね、仕事では「報連相」が大事だと。「報告・連絡・相談」です。しかしこれって実はできない人はまったくできない。というか僕もできない!正確な報連相は体力使うので、疲れがあると怠ってしまうんですよね…

会社勤めの方は報連相の大事さを身に染みて知っていると思うのですが、漫画家も知らず知らず、編集者とのやりとり、アシスタントさんへ依頼など、同じ原因で悩んでいることあるんじゃないかなと思います。

「事実」と「意見」の切り分けができていない

めっちゃ共感できて最高に勉強になる記事があるのでご紹介しますね。

「事実」と「意見」の切り分けができていない。
ぜひ元のブログを読んでほしいです。こちらのブログの元記事から一部引用させていただきます。

事実と意見の区別ができない部下とのやりとりです。

「昨日の営業、途中退席してごめん。お客さん、ウチに依頼するか、決めてくれた?」

「大丈夫だと思います。」

「大丈夫って……決まったのか、決まってないのかが、知りたいんだけど。」

「あ、まだ決まってないです。」

「そうか、決まるかなと思ってたけど……。お客さん、何か懸念事項について言ってた?」

「金額について不満そうでした。」

「もう一度聞くけど、不満だと「言った」の?」

「いえ、たしか……言ってないかと。」

「じゃ、なんで不満だと言えるの。」

「えーと…」

このあともやりとりは続くのですが、お客さんが何を言ったのか、という質問に対し「納得してくれたみたいでした」という彼の主観をひたすら返します。

なぜ「事実」ではなく「主観」、意見や解釈を言ってしまうのか。これはこの元記事に詳しいのでそちらを読んでほしいのですが、ここで僕が言いたいのはこれと同じことが「打ち合わせでも起こりうる」ということです。

「昨日の掲載コンペ、どうでしたか? 読切の結果、決まりました?」

「大丈夫だと思います。」

「大丈夫って……決まったのか、決まってないのかが、知りたいんですけど…。」

「あ、まだ決まってはないです。」

「そうですか、今度こそ決まるかなと思ってたけど……。会議で何か懸念事項について出ましたか?」

「ストーリーについて不満そうでした。」

「もう一度聞きますけど、不満だという意見が出たんですか?」

「いえ、たしか……そうは言われてないかと。」

「じゃ、なんで不満だと言えるんですか?」

「えーと…」

実際は編集者に対してこんなに強く出れないですよね…

事実と意見を把握できないと修正できない

実際のコンペでどんな事実があったのか。これが正確に分からないと漫画家は対策ができません。ストーリーに不満があったと思う、というのはあくまでその編集さんがそう受け取っただけなので、事実はそうでないかもしれません。

たとえば編集者の誰かが「掴みが足りない」という意見を言ったとして、それを「ストーリーに不満があったからだ」と解釈するか「キャラクターに不満があったからだ」と解釈するかは人それぞれの捉え方が出てきてしまいます。

解釈の解釈を…としているうちにまったく本質に届かない無意味な修正を繰り返してしまうことになりかねません。

漫画家からすると編集者の人というのは会社勤めをしている仕事ができる人と映ると思います。でも人間の資質の割合というのは…どんな組織も変わらないとKも言っていましたし、僕もそうだと思います。正確に事実を報告できる人はむしろ少ないんじゃないでしょうか。

大事なことは物事の円滑な連絡には「事実」と「意見」を明確に線引きすること、だと思います。今言われていることが客観的事実に基づいたものなのか、その人の感じたことなのか。

見極める目と耳が、漫画家には必要だと思います。
打ち合わせをする中で確かめ、養っていきたいですね。

この話に関連している動画もあります。

▼とってもためになる!少女まんが勉強会
次回は5/22(金)19時からの開催です。お待ちしております!
https://girls-manga-meeting-10.peatix.com
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