漫画の描き方|商業を目指しても上手くいかないとき、モチベをいかに保つか #012
受賞やデビューを目指してマンガを描いて投稿して、でもなかなか結果に結びつかない。マンガを描くのはとても大変な作業です。結果が伴わないと、だんだんモチベーションが下がってきてしまいますよね。
結果が出ないことで自信を失い、私には才能がないんじゃないか…、やっても意味がないんじゃないか…、と思いがよぎり、集中できないことでさらに結果が遠のいていく。この悪循環は断たねばなりません。
上手くいかない3つの要因を断つ
モチベーションが下がってしまう3つの要因は「心の内側の問題」と「心の外側の問題」と「技術的な問題」があると思います。1つずつお話ししていきますね。
まず1つ目、心の内側にある問題です。本当はこの内側こそが大事なのに、結果を追い求めることで、気持ちがどんどん自分の「外」に行ってしまいがちです。
もともと「マンガを描きたい」という思いはどこから来たのでしょうか。「こんなキャラクターを描けたらテンションあがるな」とか「こんなクライマックスを描けたら最高にすっきりするだろうな」とか、もともとは自分の中に欲求があったのではないでしょうか。
これが「受賞したい」とか「編集者を頷かせたい」とか、目的が他者になっていくと「他者が求めるもの」を描くようになってしまいます。自分の心が求めるものを描かず、他の人が求めるものを描いていたら、心が満たされないのは当然ですよね。
また自分の外に目的をもってしまうことの怖さは「何を描いたらいいか分からなくなる」という状況も引き起こします。「受賞できるものならなんでもいい」みたいになってしまうと、何が受賞するかなんて誰にも分からないので、答えがないものを追い求め、さまようことになってしまいます。
それに編集者が求めるものを描いていくと、それを描ける人だったらあなたでなくても良いということになってしまうんですね。なぜあなたでなくてはいけないのか、それを考えたらば、必ずあなたしか持っていないものをもう一度思い出す必要があります。
自分が一体何を描きたかったのか。ここが何より大事です。もう一度しっかり思い出したいですね。
「見てもらえない」を改善する
初心者のうちはなかなか作った作品を人にみてもらう機会がありません。せっかくTwitterにマンガをあげてもハートがつかない…となると、がっかりしてしまいますよね。落ち込んでしまって描けなくなり、負の連鎖が始まってしまいます。
マンガを描くのは厳しい作業です。「一人で取り組むには結構辛い」ということを認識するのが大事だと思います。そして辛いことは人間は続けられません。マンガを続けられている人はどこかで必ず楽しみを見出だせている人です。
「一人でしこしこと頑張り続けた人が漫画家になれる」という思い込みをまず捨てること。楽しんだ人の方が漫画家になれます。
それにこの現代は漫画に関する新ニュースが毎日のようにあります。例えば新しい賞や、投稿サイトができたとか、自分だけのアンテナでは有益な新情報を取りこぼしてしまいます。
初心者の段階からいかに創作仲間を作っていくか、その大事さにも気づいてもらいたいです。今はいろんなコミュニティがあるので、ちょっと勇気を出して飛び込んでみるのが大事だと思います。自分が成長していける自分の居場所を、自分に用意してあげてください。
「マンガ技術研究会」では「漫画家志望部」という部活動が盛り上がってます。漫画家志望の人たちが頻繁に音声チャットなどで集まり、情報交換しながら作業をしています。
また「やさしさ創作村」もおすすめです。こちらは否定語のないクリエイター専用コミュニティです。のびのびと創作活動に集中できる環境になっています。
しっかりとマンガ技術を上げていく
「受賞」「デビュー」というのはプロとしての仕事の道です。ここを突破するには、当然ですが実力が求められます。もしまぐれ当たりで突破してもきっとすぐに行き詰ってしまいます。
マンガ技術を上げていくことに時間を投資できているでしょうか。ひたすらネームを作り原稿を作り、ということにのみ時間を当てても、ある段階から頭打ちになってしまうことはよくあります。
野球で例えるなら、一人でずっと壁に向かってボールを投げ続けたら、プロレベルの投球技術を得られるのか、ということです。漫画の主人公ならありそうですけどね。
これが難しいのは、自分で自分の問題に気付けない、ということに尽きると思います。コーチ的な人に見てもらい、チェックしたりクセを直したり、ちゃんとそういう時間をとって漫画家としての自分をマネジメントして育ててあげてほしいです。
自分をいたわることを忘れない
以上、3つの点からお話ししましたが、どの話も結局は「自分を大事にする」ということでしたね。具体的に、自分を大事にする方法を見つけてほしいです。
自分を大事にする、というと、休もうとか温泉行こうとかなりがちですがそうではなくて「漫画家としての自分をプロデュースする発想」が必要なのだと思います。しっかりやさしく導いてあげてください。
また東京ネームタンクをぜひ調べてほしいです。マンガを描くことは本来楽しいことのはずです。僕は自分も苦しんだ経験から、ネームが苦しくなってしまった人をなんとかしたくてここまですべてを用意して来ました。そしてそれは今だいぶ整ってきています。
苦しみがなくなったり、少しでも安らぐ場所があるのに、その情報が届かずまだ苦しんでいる人が多いことに、締め付けられる思いです。「ネームできる講座」「まんが奨励会」をぜひチェックしていただきたく、心よりお待ちしております。
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