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漫画の描き方|漫画家の夢を諦めるべきか(質問編) #014

とても切実な悩みをいただきました。しっかり推敲された、想いがよく伝わる文章なので一部紹介いたします。原文では丁寧な心遣いある挨拶文が前後にあるのですが、ここでは省略しています。

私の悩みは多数あるのですが、何よりも重大で根本的なのは、
「劣等感が強く、すぐに心が折れて逃避してしまう」
ということです。

私はもう27歳で、漫画家に本格的に憧れたのは大学生からなのですが、いざ描いてみると当然ながら上手く描けず、この時点で早くも暗澹たる気持ちを抱いていました。
大学卒業後専門学校に入学しましたが、自分よりも年下ながら遥かに技術のあるクラスメイト達を目の当たりにして落ち込み、持ち込みをしても酷評ばかり。
それでも担当が何とか付き、先方もそれなりに期待してくださったのですが、次作のネームがなかなか描けなかったのと、結局それが厳しい評価をもらったことで挫折してしまい、その人のもとから去ってしまいました。
そしてそこから3年間もの間、漫画を描こうとしては途中で諦めるという日々を繰り返し、今年になってようやくネットに作品を投稿する形で描き始めました。
その一環で、ある漫画雑誌が運営する投稿サイトにものは試しで送ってみたところ、担当を希望してくださる方が現れ今に至ります。

それだけなら状況は前進している方に見えるかもしれませんが、そもそも投稿してきた作品の閲覧数や評価は軒並み(一つの作品をpixivやニコニコ静画など複数のサイトに投稿してます)微々たるもので、どうしても人気作の数字との落差が気になって落ち込みますし、担当さんに見せる次作の制作も集中出来ない有り様です。

とにかく自分は劣等感が非常に強く、漫画家を目指すようになったのも、小さい頃の夢だったことに加え自分が抱いてきたあらゆる感情を表現したかったからなのですが、現在はそもそもそれが成し遂げられない、実現させるための才能も技術も根性も無いことに劣等感を抱いています。
同時に世の中への敵意も強まるばかりで、全てが自分を無価値だと伝えているように感じます。
売れている作品は情報すら触れたくないですし、仲間を作る気も起きませんし、何より日々漫画やアニメで盛り上がっている世の中が嫌になります。

それらを昇華させて作品を描こうと思っても、自分に才能が無いと分かるのが怖くて完成させられず、何とか描き上げたところで当然ながら拙作なので、ネットに公開しても誰も見てくれないですし、評価もされません。そうなると、
「やっぱり自分は行動したところで無駄なんだ」とか、
「あの作品はこんな栄華を極めている一方で、自分の作品は世に出ることすらない」など、どんどん憂鬱な気分になります。

それなら技術を上げたり見てもらう工夫をすべきなのは分かっているのですが、何しろあらゆる面で底辺なので何を努力すべきか途方に暮れてしまいますし、プライドが邪魔して上級者から学ぶ気も起きない。そして「どうせ努力しても無駄」「すでにデビューしていたり売れっ子になっている人間にはもう絶対に勝てない」と考えてしまい、漫画を描くことや練習、学ぶことから逃げてしまいます。

ごとう様の動画含め、メンタル系のアドバイスはよく見るのですが、それすら正直言うと
「20歳前後でデビューしたような人間はこんな悩みもなくバリバリ描いていたんだろうな」
と考えると、やっぱり自分は駄目なように思えてきます。

デビューする前からこんなに苦しいことばかりで、本当は自分は漫画家を目指すべきではなかったのかもしれないと思うことがあります。
でも漫画家を諦めたところで、その敗北感を抱えて世の中を恨みながら生きていくと思うと怖くなりますし、それこそごとう様の動画にもありましたが、
「この感情は創作にぶつけるしかない」
という思いで漫画家の夢を追ってきました。
また、少なからず評価してくれる人がおり、担当の方も付いた以上、ウダウダしている場合ではないというのもあります。

ここまで卑屈になってしまった人間が、漫画に前向きに取り組めるようになるにはどうしたらいいでしょうか。
また、今回の担当さんとも駄目だった場合、いい加減諦めて就職すべきだろうと考えていますが、ごとう様も自分のような人間は漫画家の夢から離れた方がいいと思いますでしょうか。

とても苦しい状況が伝わります。まずはお礼を伝えたいです。こういった悩みを共有してくれることで多くの同じような状況の人も救われると思うからです。

解答編は次の記事に。

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